キミヲモイ。
「いや、普通に道通ったら二人乗りで怒られるやん? 学生んときもよう怒られてたし」
修二は自転車を止めて、懐かしむように眉を下げて笑った。
――確かにあの辺りにはお巡りさんがいたっけ。
公園にいなきゃ良かったかな。
そうすれば、修二は僕を見つけずに、二人乗りすることなく、汗かいてでこぼこ道を通ることもなかった。
「――なんで、公園通りかかったの?」
そうだ、元々修二には何か用事があったはずだ。
僕を探しにきた様子ではなかったし。
僕の一言に、修二の顔はどんどん青ざめていく。
まさに曇り、……のち雨。
まるで泣き出しそうな顔だった。
いやいや、修二に限ってそんなことは、まさか、ない。
「そうやー! 買い出しの途中やったんや! 何も買ってきとらんし……。あー……」
修二は顔を大きな手で覆い、グルングルンと首を振る。