キミヲモイ。

「はぁ、もう無理や……。この前もミス連発したんにぃ」


隙間から見えた修二の顔は、赤くなり眉が思いきり歪んでいた。

しゃがみ込んでしまった修二のポケットから、紙切れが落ちる。


「これ――」

「あぁ、メモや。買い出しの」


肩を落とし、落胆したように言う修二。

僕はあまりこういう経験もないし、バイトだってしたことないから、どれだけのことかわからない。

でも修二にとっては、かなり大きなことなんだろう。

だって、こんな修二初めて見たから。


「僕が、買ってくる」

「は?」

「ここで頭抱えてても、どーにもなんないじゃん」

「そりゃそーやけど……」


パッと上を向いた修二の顔は、やっぱり曇っていた。

また困ったように、視線を背ける。






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