キミヲモイ。
「こんな朝早くから大変でしょうに」


そんな修二はまたニヤニヤと笑って、ビニール袋から出したペットボトルの水を飲み干した。


「なんか魚臭いんだけど」


僕はギターを置いて顔をしかめながら、修二に詰め寄る。


「朝一でバイトしたからな〜。この前言うたやろ? 寿司屋の」

「ああ、やっとバイト先見つかったっていう……」

「やっと言うな! 働かずに歌ってるお前よりマシじゃ」


修二はまた水を飲んで、機嫌悪くする。

僕は痛いところを突かれて、さっき渡されたカロリーメイトを勢いよくビニール袋に戻した。


「自分の好きなことして何が悪いの!? 僕はただ歌いたいだけなのに!」


頭にきた。

会ったらすぐに喧嘩する。

いつも僕は馬鹿にされて、修二は楽しそうに笑っていて。


「裕梨、女の子が僕なんか言っちゃあかんよ」


そしていつものように、頭をひと撫でされる。









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