キミヲモイ。

ふと、渡されたビニール袋が目に入る。

膝に乗っけて、中身を見た。


カロリーメイトを最初に出して、隣のイスに置いておく。

他に、修二が飲んでいたのと同じペットボトル。


「あ、これ……!」


ポンと入っていたのは、Azuの新曲のCD。

しかも初回限定盤。

修二もAzuが好きなのかな?

修二がどんな歌を聴くかはわかんないけど、Azuが相手なら不思議じゃない。



そしてその下に、雑誌が丁寧に3冊。

今日発売日のCDランキングなどが載っている週刊誌と、僕が愛読している音楽雑誌。

これはさすが……修二だ。

僕の欲しいものがよくわかってる。


そしてもう一つ、女性のファッション誌。

こんなのは余分だ。

どうせ見ずに古本とまとめて捨てるだけなのに。


Tシャツにジーパン。

これで僕は十分だ。

女らしくないのはわかってるし、女として見てほしいわけでもない。

自分の声とギター。


それさえあれば、何もいらない。









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