【短編】THE EXPRESS
遠い君
向かい側のホーム。
いつも6号車のところにいる君。
私はいつも見つめてる。
たぶん、君は気付いてないけど。
「おはよう!!ナナ」
「おはよー、ヨーコちゃん」
「あれ?シホどーしたの?」
いつも友達待ち合わせてる、
とある駅の6号車のところ。
この駅には大きなビルが中にあったりだとか、そうゆうところはない。
私はわざと遠回りしてこの駅にいる。
理由は一つ。
君がいるから。
名前も知らない『君』に私は恋をしてる。
手を伸ばしても届かないのに、
そんなの分かってるのに、
私の目は君を追う。
「あれれ?シホ、何ぼーっとしてるの?」
「知らない。寝てるんじゃない?」
こんな事を言われてる私。
笹木 志穂、成華学園一年生。