【短編】THE EXPRESS
君の拒絶
「志穂、明日学校休みなんでしょ?
ちょっとお母さんの様子見に行って来て」
「はーい」
ちょっと説明。
“お母さん”って言うのは、私のおばあちゃんの事。
おばあちゃんは今ギックリ腰で病院に行ってるから、見て来なくちゃいけない。
あれから……
朝に目が合うと、笑いかけてくれるようになった。すごく嬉しい。
だけど、とくに手を振ってくれたりしたわけじゃない。
私も目立つし、友達になんか言われるからしないけど。
だけどね……
日が裁つほど、君が恋しくなるの。
君と過ごした時間を忘れられないこの体が、この思いが、君を欲しがってる。
君を独り占めしたいって言ってる。
だから、あの日……
もしかしたら、会わない方がよかったのかなって思う。
だって、きっと君は私の思いなんか気付いてないでしょ?