【短編】THE EXPRESS
風が頬に当たる。
もう、何日話してないのかなんて
忘れてしまった。
「おはよー、シホ」
「おはよ。ナナ」
「電車もう閉まるからっ!!早く!!」
今日はちょっと寝坊した。
だから、3人で駆け込み乗車。
今日は日曜日だけど、補習がある。そして3人は見事に補習になってしまったから。
「日曜日って空いてるねー」
「あ!!あれいつも向かい側にいる人達じゃない?」
「え?」
ヨウコが指を指した方向を見た。
「……ケンヤくん」
そこには制服を着たケンヤくんがいた。
なんか周りにいっぱい人がいる。
練習試合とか行くのでこっちに乗ってるのかな……。
なんか、すごく近い。
「…そう言えばケンヤ、この前成華の女子と話してたじゃん」
「あー、あれね」
「成華ってなんか、馴れ馴れしい感じするじゃんかー」