【短編】THE EXPRESS
「あ、それ俺も思う。ケンヤは?」
「……うん。俺もちょっとアレとは関わりたくないな」
……え?私の事?
ずっとそうやって、
『関わりたくない』とか思ってたの?
『馴れ馴れしい』とか思ってたの?
「そう言えばさ…いつもこっち側のホームに成華の女子いなかったっけ」
「そーいえば。でも今日、日曜だし…」
――プチッ
何かが切れた音がした。
気付いたら、ヨウコがすごく不機嫌そうな顔をしてた。
「本当ありえないよねー。周りの見えない人って大嫌いなんだけど」
「ウチもそれは思う。シホは?」
ヨウコとナナがわざとケンヤくん達に聞こえるように言った。
もうすぐで駅に着く。
「私はー……」
――プシュー
駅に着いてドアが開いた。
その瞬間、ケンヤくんがこっちを振り向き、目があった。