【短編】THE EXPRESS
夕焼けに照らされる校庭。
傍らから聞こえる音楽。
クリアな空間。
気付いたら、涙が出てた。
私なんて自分勝手だったんだろう。
なんて子供だったんだろう。
ケンヤくんはこんなにも思ってくれてたのに。私は何も気付けなかった。
気付かなかった。
自分の事ばっかりで。
ケンヤくん、
まだ私のこと思ってくれてる?
まだ思ってくれてるなら
この気持ちを伝えよう。
列車の走る車輪の音。
それは、
駆け出しの音。
恋を始める私達へ、
ありったけの思いを込めて。
『この思い、君に届け』
………END………