【短編】THE EXPRESS
「そうなんだけど…なんかこっちのが親しみわくしね……」
「あははっ!!何それ」
「親しみって使ってれば何でも沸いて来るんじゃない?」
「んー…そうかな」
そうかもしれない。
だけどこの気持ちは、そんな『親しみ』とかじゃ片付けられない。
憧れだって言ってるのに、そうやって思ってしまうのはだめなのかな。
「そう言えば、今日シホ委員会ある?」
「今日も放送委員のお仕事があります」
「シホ毎日仕事あるよねー。大変じゃないの?」
「んーん。全然」
私の日課。
『君』を毎朝見ることと、
放課後に放送室で音楽を流す事。
私の趣味と音楽の先生の趣味の曲(主にクラシックと吹奏楽曲)だけだけど。
「ほー。シホってもしかして年上好み?」
「え?!誰を対象としてるの?」
「音楽の西平センセ」
「違うもんっ!!」