キス友。
「かな、……ン…っ」
「は…美空…っ」
自分で支えられなくなって、奏太の柔らかそうなハチミツ色の髪の毛に触れる。
やっぱり柔らかい。
奏太の指が、あたしの髪の間に差し込むように触れる。
「ん、ん…っ」
なんでかな。
奏太のキスは、どこか満たされない。
ようやく唇が離されて。
「ばーか。声、漏れてる」
奏太は、し、と人差し指を唇の前に立てる。
「んなこと…」
「そろそろいこーぜ?
怒られるから」
そう言って、奏太は歩き出した。
「…ばかはそっちよ、ばか」
無意識に、呟いた。