レンズのその先に【完】
レンズのその先に
あれから何度、彼を想い泣いただろう。
中学3年だったあたしと、高校1年生だった彼の、少し背伸びしたお付き合い。
彼中心に回っていたあたしの時計は、あの瞬間から止まってしまっている。
まだ携帯を持たせてもらえなかったあたしは、彼の連絡先を聞くこともできず、また彼も教えようとはしなかった。
あの日、デートの待ち合わせをした駅で、まさかの別れを告げられてから、連絡なんて一度も取ったことはない。