レンズのその先に【完】

…結局。




あの本は読む事なく、むしろ袋すら開けてない状態でこの場に来ている。




もちろん昨日指定されたあのカフェで。




待ち合わせ、ということで二人用の席に座ったはいいものの、まだ約束の時間には30分もあるわけで、近くで時間を潰さなかった自分に後悔をする。




そもそも一方的に言われただけなのだから時間通りに来る必要なんてなかったのに。


…まぁそれができないのが小心者のあたしなわけで。





「お待たせいたしましたぁ~」





とりあえず、呑気な店員と共にやって来たミルクティーでも飲んでやり過ごそうか。





もちろん飲んでるだけじゃ間が持たないので、例の最新刊…の1つ前の本を読むことにした。








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