愛しキミへ、この歌を

長谷川といい、この子といい、人の話を聞かないやつばかりだ。
俺は内心溜め息をつく。


「そんな大声出して今度は何?」
清水が呆れ顔で入ってきた。
やっとまともに話ができる人が現れたことに俺はほっと胸をなでおろす。


「大変だよ!!!!この人楽器泥棒!!!!梨花ちゃんのドラムべたべた触ってたもん!!!!」
茶髪の女の子が興奮した様子で清水にまくし立てる。


「は?楽器泥棒?」
清水は俺のほうをちらっと見ると
「あたしのドラム盗もうとしたの?」
と、にやにやしながら話しかけてきた。


< 17 / 55 >

この作品をシェア

pagetop