愛しキミへ、この歌を
すぐにそれが本気で言っているわけでないと気づく。
俺はむっとした表情で
「お前のドラムなんか盗んでどうするんだよ」
と言った。
すると清水は「そうだよね」と苦笑する。
「ごめんね田中。優香って天然っていうか思いこみ激しいから」
そう言って清水は優香と呼ばれた茶髪の女の子の頭を軽くこづく。
「梨花ちゃんこの人と知り合いなの?」
こづかれた頭を不服そうに擦りながら言った。
「田中とはクラスが一緒なんだ。とりあえず楽器泥棒ではないから安心して」