愛しキミへ、この歌を

以前は学校側も定期的に清掃をしていたが、あまりにも場所が多く次々と書かれるラクガキに今では黙認状態だ。



しかしラクガキだけが校舎を汚くしているわけではなく、ところどころに黒く大きな亀裂が走り、それは見る者に崩れるのではないかという不安を持たせた。




天井近くに掛けられたバッハの肖像画も、教室に合わせた小さめの黒板もどこか古ぼけている。




この教室にある唯一綺麗なものといったら1年前に買いかえたグランドピアノぐらいだ。

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