愛しキミへ、この歌を

葉から溢れた日が
ちょうどアスファルトに落ちて彼女の顔を赤く照らす。




その歌声は飛び抜けてうまいわけではなかったが、音楽に向けた強い熱意を感じた。




眉間に皺を寄せて歌う彼女は必死に見えない何かと戦っているように見える。
悲しげに歪んだ顔。
こんな表情もするんだな…。




ぼーっとその姿を見つめていると何かに気づいたかのように歌うのを止め、サッと顔をあげた。




目が合う。
さっきの表情はすぐに消えて一瞬驚いたように目を見開くと不思議そうに首をかしげた。


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