悲恋‐幼い恋‐
教室の前までやってきた。
妙に見られてる気がする……。
…気のせいだったらいいのに。
無意識に足が震える。
気持ちの重さと足の重さがリンクしたみたい……。
……足が、動かない…。後ろになら動くんだけどなぁ…。
――横を見る。
そこには、弘樹がいる。
あたしの手をしっかり握って、あたしに微笑む。
弘樹の手は、少し湿っている…。
…弘樹も不安なんだよね。
…………あたしもしっかりしなきゃ………!!!!