悲恋‐幼い恋‐





「おい!!
待てよ瑠実……!!!」


病院をでて、早足で帰ろうとするあたしを弘樹は必死で引き止めた。

足を止めるものの、顔を向けようとしなかった。

「こっち向けよ!!!」

弘樹があたしの顔を見た。


「………!!!」







………あたしは、泣いていた。


泣きたくないのに、涙はどんどん出て来て、必至に涙を押さえようとした。



「……瑠実」




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