悲恋‐幼い恋‐
「ねぇ、弘樹……今から、海行こうよ!!」
「え……?」
「いいから♪たのしみっ♪」
弘樹は何か言いたそうだったけど、それを振り切って駅まで走った。
――電車に揺られて一時間。
目的地の海まで着いた。
「わぁ――キレイー!!!海なんてひさしぶりじゃない!!?」
「なぁ瑠実、」
「最後に来たのいつだっけ?
たしか小3のとき、
弘樹達と行ったんだよね!!?
この海!!」
「……瑠実…!!!」
「あ、そうだ!海入っちゃおっか!?」
「いいよ」
「そんなこと言わないでよ~足だけだから!!」
「………瑠実!!!!
いい加減にしろよ!!」
弘樹に腕を掴まれた。