悲恋‐幼い恋‐
行為が終り、疲れはてたように弘樹は眠ってる。
綺麗な寝顔………。
しっかり焼き付けなきゃ。
もう二度と、見れないんだから……。
いっそのこと写メを撮ろうか、と悩んだけど、やめた。
だって、写メなんてあったら毎日見てしまいそうだ。
忘れたくても忘れれなくなってしまうから……。
皮肉だね。
こんなに好きなのに、諦めなきゃいけない。
大好きなあなたが今、一番あたしを苦しめてる。
苦しいよ
苦しいよ…。
助けてよ
助けてよ……。
あたし今泣いてるよ?
あなたが恋しくて泣いてるの。
だから、ねぇそんなとこで寝てないで、あたしを抱き締めてよ。
愛してるって囁いて。
さっきみたいに……。
優しくあたしを慰めてよ。
「ほら、泣くな?」って、いつもみたいに慰めて?
まるでお兄ちゃんが妹を慰めるみたいな言い方が、あたしは大好きだった。
その言い方で、あたしは何度も涙を引っ込めたんだ………。
……弘樹、
「さよなら……」