悲恋‐幼い恋‐


藁をも掴む思いで言われた。


このとき、なんでか分かんないけど、話だけなら聞いてあげよう、って思った。



あたしが逃げないのを見て、瞭良が話し始めた。





「初めてだった…。
瑠実チャンみたいな娘は…初めてこんなに堂々とぶつかられて、最近だけど…やっと女の痛みが分かった気がする。」


目を伏せて、申し訳なさそうに喋る瞭良をあたしはずっと睨んでた。


「俺、足治らないかもしれない…。それは前にも言ったじゃん?
神経傷ついてるらしいんだ。
リハビリ、頑張るけど治らない可能性が高いんだ。」



…………。

そのことに関しては、あたし達にも非があったと思う……。


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