悲恋‐幼い恋‐
「ねぇ!!
弘樹こっち向いてよ!!」
そんな叫び、届いていない。
だって、弘樹はさっきからぴくりとも動かない。
……まるで、
もう死体のように…。
「可哀想に……
即死だな……」
ウ ソ ダ
ウソダ
ウソダ
ウソダ
ウソダ
「嘘だぁぁーーー!!!
やめてよぉ!!
弘樹は死なない!!
死ぬ訳ない!!
弘樹ーーーー!!!!!」
また叫びだしたあたしに驚いたのか、
男性の力が弱まった。
「弘樹!!!!」
弘樹のもとに向かう。
……え………????
コレ、だれ??
そこには、
いつもあたしに
太陽のように微笑む弘樹はいない。
いつもあたしを安心
させてくれる
優しい微笑みはない…。
そこにいるのは
苦しみに歪んだ
血塗れの
……………弘樹。