悲恋‐幼い恋‐
「ねぇ、瑠実ちゃん覚えてるかしら…、あなた昔公園の遊具から落ちて怪我したの」
「あ……」
それは遠い昔のことだった。
公園の高い遊具に弘樹が登ってて、あたしに登ることを進めたんだっけ……?
でも弘樹がうっかり手を離して、あたしは落ちて怪我をしてしまったんだ。
顔を切って、一生傷が残ると言われた。
「弘樹はそのことをすごく気にしてて、すごく悩んでたけど………、あなたはどぅだった?」
「え?」
急に話を振られて困った。
だって、今も傷はあるけど、そのことでの感情なんてない。
「傷のことで悲しんだり、弘樹のことを嫌いになったの?」
……そんな、
「そんなこと、有り得ません!!
あたしが弘樹を嫌いになるわけありませんから!!」