悲恋‐幼い恋‐



「ねぇ、瑠実ちゃん覚えてるかしら…、あなた昔公園の遊具から落ちて怪我したの」

「あ……」

それは遠い昔のことだった。


公園の高い遊具に弘樹が登ってて、あたしに登ることを進めたんだっけ……?

でも弘樹がうっかり手を離して、あたしは落ちて怪我をしてしまったんだ。


顔を切って、一生傷が残ると言われた。


「弘樹はそのことをすごく気にしてて、すごく悩んでたけど………、あなたはどぅだった?」

「え?」

急に話を振られて困った。

だって、今も傷はあるけど、そのことでの感情なんてない。


「傷のことで悲しんだり、弘樹のことを嫌いになったの?」

……そんな、




「そんなこと、有り得ません!!
あたしが弘樹を嫌いになるわけありませんから!!」



< 248 / 277 >

この作品をシェア

pagetop