悲恋‐幼い恋‐


『一番が好きな奴に告る…!!』


そう言った弘樹。

あたしがヤケになって告ったから、あたし達は始まったんだよね。


『俺、お前のこと嫌いになったことないんだけど!!』

そう言って、ハニかんだよね…。

あたしはバカだった…。弘樹の愛が信じられないなんて…、本当にバカだった……。



あたしが瞭良にレイプされて…、

それを知らない弘樹が心配した声…。

今も忘れられない。
きっと一生忘れられない。


あたしがバカだったから……。本当にごめんね。


“バカ瑠実”

弘樹はよくこう言った。嫌がるふりしてたけど、本当は嬉しかった。

いつも通りこう呼ばれるのが、"なにも変わらない"って言われてる気がして嬉しかった。


弘樹がいなくなるちょっと前。
あの夢――。

弘樹はこれが言いたかったんだね。
弘樹は知ってたのかな――…。

あたしから離れなきゃいけないって。



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