悲恋‐幼い恋‐



《具合大丈夫か……??

別れたのに電話してごめん…
迷惑だって分かってる。

………でも俺は瑠実のことが……
ピー》





メッセージはこれで終り。

でも確かに分かった。

弘樹は泣いたんだ。


意地っ張りで、ガキで、馬鹿な弘樹が泣いた…。




その事実にわたしは
心が締め付けられた。










「………ごめんなさい」


「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい………っ、……


うっ……っくぅ……
はぁっ、………ふっ
ううぅ……」


声を押し殺して泣いた。誰が聞いてるわけでもないのに。



「…………弘樹ぃ……」



わたしは動き出した。


< 43 / 277 >

この作品をシェア

pagetop