悲恋‐幼い恋‐


由姫はアタシの話しを聞いて、たくさん泣いてくれた。
自分のことのように悲しんでくれる由姫は、ほんとに大切な親友です…。由姫がいてくれて、 ほんとによかった……。

由姫は泣き続けるアタシを抱き締めながら口を開いた。


「どうして……??
どうして瑠実なの……?
瑠実は、弘樹くんと
もっと幸せになるはずだったのに……。



どうして女だけがこんな悲しいめに会わなきゃいけないの??


どうして理不尽な男の
せいで一生傷を負わなきゃいけないのよ……!!!」


……由姫は、アタシと同じ様なめにあったことがある。

同じようなめにあったもの同士、もう言葉はいらない。ただ抱き合えば、その悲しみは分かち合えるんだ…。



「ほんっと許せないッ
瞭良のやつ……
……ぶん殴ってやる…」
えっ……


「ちょ、ちょっと待って!??危ないよ!!
由姫になんかあったら…」

「なに言ってんの!??
そんなことされて黙ってらんないよ!!」

「待って!!
ほんといいから……。
アタシは由姫がいてくれるだけでいいの…!!」


「瑠実……」






< 53 / 277 >

この作品をシェア

pagetop