悲恋‐幼い恋‐
林間学校のスケジュールはとてもハード。
飯盒炊飯をして、お風呂に入って、キャンプファイヤー。
このスケジュールにあたしはもうヘロヘロ。
「疲れた~~
これから肝試しでしょ?疲れるってまぢで~」
あたしの口から愚痴が零れる。
「しょうがないって~林間なんてこんなもんでしょ?」
あーあ…まぢつまんない。あたし、もっと林間学校って楽しいものだと 思ってたはずなのになぁ…
実際超つまんない。
なんでだろ……??
「あ~あ彼氏とでも一緒にいたら楽しいんだろうけど~」
由姫の言った一言で
あたしの頭にはあの人の顔が浮かんだ……。
……大好きなあの人が。
「あっ……
ごめん……」
何も言わないあたしを見て、自分が何を言ったか分かったようだ。
「いーよっ別に
……気にしてないしっ」
…きっと由姫はいつも通りのあたしに、あのことなんて忘れていたようだった。
それくらい、あたしの演技は完璧と言うことだ。