悲恋‐幼い恋‐



林間学校のスケジュールはとてもハード。

飯盒炊飯をして、お風呂に入って、キャンプファイヤー。

このスケジュールにあたしはもうヘロヘロ。


「疲れた~~
これから肝試しでしょ?疲れるってまぢで~」

あたしの口から愚痴が零れる。

「しょうがないって~林間なんてこんなもんでしょ?」


あーあ…まぢつまんない。あたし、もっと林間学校って楽しいものだと 思ってたはずなのになぁ…
実際超つまんない。


なんでだろ……??


「あ~あ彼氏とでも一緒にいたら楽しいんだろうけど~」


由姫の言った一言で
あたしの頭にはあの人の顔が浮かんだ……。


……大好きなあの人が。


「あっ……



ごめん……」

何も言わないあたしを見て、自分が何を言ったか分かったようだ。


「いーよっ別に
……気にしてないしっ」
…きっと由姫はいつも通りのあたしに、あのことなんて忘れていたようだった。


それくらい、あたしの演技は完璧と言うことだ。




< 60 / 277 >

この作品をシェア

pagetop