悲恋‐幼い恋‐

「俺な、女に騙されたことあるんだ」



は…？？
なに??



「あの、聞いてないんだけど？？」


だって、瞭良くんの過去話なんて、興味ないし。



「いいから。きけ」


強引だな…



「好きだったんだ。
大好きだったんだ…。

だけど、その人は年上で、俺なんか遊びで…」


瞭良くんは話しをする時、ずっと遠くを見ていた。

「その人、結婚してたんだ」

「え！？
じゃあ不倫???」


そんな非常識な話しが
身近にあるなんて…。


「まぁ、実際そうなんだけど、俺結婚してるなんて知らなかったんだ」


「そっか…」


なんか変な感じ…。
だって、瞭良くんはあたしをﾚｲﾌﾟした男で…
許すなんて、



そんなこと、



絶対出来ないけど…

不思議と怖いという気持ちはもうなかった。



「でもその人浮気されてて、俺に泣き付いて来たんだ。浮気相手をﾚｲﾌﾟしてくれって……」



「えっ!!!?
まさか…??」

「うん…。
その人のこと、ほんとに好きで……
だから…………」