悲恋‐幼い恋‐
「別になんでも…「俺のせいだよ」
へ、?
あたしの言葉に
覆いかぶさってくるように、瞭良くんが喋った。
「俺が、レイプした」
えっ………
「ちょっ…なに言って…!!?」
一気にからだの血の気が無くなるように、あたしのからだは氷ついた。
何勝手に……
弘樹だけには絶対に…
知られたくなかったのに!!!
「二日前、瑠実チャンが
お前に別れようって言った時」
やだ…
やめてよ…
弘樹には知られたくないのに……!!!
「ほんとか…??」
さっきからなにも
言わなかったのに、
弘樹はやっと口を開いた。
「ち、ちが…うのそんな…」
「本当なんだな…??」
「違う!!!!」
この後に及んでまだ
言い訳をするあたし。
ほんとに惨め。
でも、それくらい知られたくなかった。
弘樹だけには……。
「テメェふざけんじゃね~よ!!!」
弘樹が瞭良くんの胸ぐらを掴んだ!!
「ちょっ……
やめてよ!!!離しなって!!」
弘樹がこんなに怒ってくれて、ほんとはすごい嬉しい。
でも、暴力はイヤっ…弘樹になにかあったら…
「止めんじゃねぇよ
バカ瑠実!!
こいつだけは殺してやんねぇとだめなんだよ!!!」
殺す……!!?
「やめてっ、てば!!!!」
「瑠、実……!!!
危ねぇよ!!!
離せ!!」
「離さない!!!!」
あたしが離さないから
弘樹はあたしから逃れるように暴れる。
「離せよ!!!
こいつを殺してヤるんだからよ!!!」
「やめてぇっ!!!!」
――そのとき
「いやぁぁぁああぁぁ―――!!!」
ほんの数秒。
弘樹があたしを払いのけるように、あたしを押した。
そのはずみで
瞭良くんが下に落ちた。