悲恋‐幼い恋‐




――そのあと、あたし達は家に帰された。



瞭くんのことは聞かれたけど、弘樹となら平気。

レイプのことは伏せておいた。

ただ、口論となり不慮の事故で転落した、ということを話した。


担任は納得はしてないようだったけど、深く追求して来なかった。

なんでも疑っていては
教師は務まらないんだって。



「じゃあな、詳しくは電話で話すから」


担任は帰っていた。


「瑠実、俺ん家来る…?」

「ぇ、でも自宅謹慎でしょ…??」


「いいから。ちょっとだけ、な??


それに、今一人になりたくねぇし…」



「……分かった」


弘樹も、不安なんだよね。あんなことがあったばかりだし……
一人になりたくないのはあたしも同じ。




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