悲恋‐幼い恋‐



「――瑠実」


えっ…

気付くとあたしは弘樹に抱き締められてた。

弘、樹……?


「俺……ほんとによかった。瑠実を失わないで…
俺、瑠実がいねぇと生きてけねぇ……」


……弘樹、弘樹もあたしと同じ気持ちだったんだね…。


「って俺、ハズいな…」

「うぅん。
嬉しいよ……」


なんてありきたりな言葉…。


ほんとはもっと、伝えたいこといっぱいあるのにね。




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