レインブルー

「ああもう!考えれば考えるほどワケ分かんねえ!」


俺の中にある線がなかなか結びつかず激しく悶える。


「黒井と篠田の野郎。何を隠してやがるんだ…」


すると背後で、扉が開く音がした。

振り向くとまだ制服姿の黒井が玄関先で立っていた。


「おお、黒井!」

「…よお、アキラ」

「なんだよ、いたんなら早く出ろよ。危うく帰っちゃうとこだったじゃねえか」

「悪い。ちょっと寝ててさ」


寝起きのせいか、黒井は少し元気がないように見えた。


「俺のほうこそ起こしてごめんな。ちょっと近くを通りかかったからよ」

「海?」


黒井は自転車の篭に乗せたサーフィンボードを見て聞いた。


「今日の波はまあまあだったぜえ。お前も来ればよかったのに」

「ああ。…ちょっと疲れててさ」


玄関の扉に寄りかかるようにして苦笑いを浮かべる黒井の姿に、俺はふと妙な違和感を覚えた。
< 117 / 157 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop