レインブルー
「ああもう!考えれば考えるほどワケ分かんねえ!」
俺の中にある線がなかなか結びつかず激しく悶える。
「黒井と篠田の野郎。何を隠してやがるんだ…」
すると背後で、扉が開く音がした。
振り向くとまだ制服姿の黒井が玄関先で立っていた。
「おお、黒井!」
「…よお、アキラ」
「なんだよ、いたんなら早く出ろよ。危うく帰っちゃうとこだったじゃねえか」
「悪い。ちょっと寝ててさ」
寝起きのせいか、黒井は少し元気がないように見えた。
「俺のほうこそ起こしてごめんな。ちょっと近くを通りかかったからよ」
「海?」
黒井は自転車の篭に乗せたサーフィンボードを見て聞いた。
「今日の波はまあまあだったぜえ。お前も来ればよかったのに」
「ああ。…ちょっと疲れててさ」
玄関の扉に寄りかかるようにして苦笑いを浮かべる黒井の姿に、俺はふと妙な違和感を覚えた。