レインブルー
もう終わったことだ。

恋心はこんなにも人を狂わせてしまうことを俺は知らなかった。

一歩でも間違った方向に踏み出せば取り返しのつかないことになってしまう。

俺は今回のことでそう学んだ。

やがてアキラが重いため息を吐く。

そして、呟くようにいった。


「人生ってうまくいかねえよなあ。なかなか自分の思い通りにいかねえ」





ざあ、と風が靡く。




どうしてだろう。



ただ好きな人と一緒にいたかったのに。



ただ好きな人のそばにいることが俺と涼子の夢で希望だったのに。




それだけの想いだったのに。






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