レインブルー
目の前が真っ暗になった。
あたしは窓の鍵をかけて青色のカーテンを閉めた。
後ろでジャラジャラと金属音がした。
振り返るとクロが七瀬先生の手をとっていた。
細くて白いその腕にクロは手錠をかけた。
あたしはそれをぼんやりと見つめていた。
「涼子」
「うん」
「今何をしてるのか自分でもよく分からない」
「あたしもだよ、クロ」
「俺、自分が怖い」
「あたしもだよ、クロ」
今ならまだ後戻りはできる。
あたしとクロはゆっくりと扉を閉じた。
閉める直前に扉の隙間から七瀬先生の幸せそうな寝顔が見えた。
カチャ、と鍵のかかる音がやけに耳に響いた。
きっとあたしとクロはどうかしてたんだと思う。
だって昔、取り合ってた人形が壊れるまであたしとクロは無我夢中だった。
綿が飛び散るまであたしとクロは理性を失ってた。
あたしのもの。
俺のもの。
独占欲というものはどうしてこうも人を貪欲にするのだろう。