レインブルー

武が店を出てから私はスイッチが入ったように飲めないお酒を注文した。

次々とグラスを手にする私をマスターが止めに入ったけれど私は聞く耳持たず帰る頃には顔が真っ赤になる程酔っ払ってしまった。

ぐるぐると世界が回る。

私はおぼつかない足取りで店を出て帰路を歩いた。

時々気持ちが悪くなって道の隅にしゃがみ込んで壁際にもたれたりした。

次々とすれ違う人が振り返る。

私を見るその目はひどく冷たく感じた。

何をしているんだろう。

私は。

夜道を一人歩いて一人酔っ払って自分からプロポーズを断ったのに一人で傷付いている。

私は無性に泣きたくなった。

違うのに。
違うのに。

武なら分かってくれると思っていたのに。

私はどこかの雑誌で結婚はタイミングだと書いてあったのを思い出した。

思い出して私はまた泣きたくなった。

私と武は一生分かり合えない。

そんな気がして悲しくなった。
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