レインブルー


「あ…」


待って。

すぐに拾おうとするも坂道で指輪はどんどん下へと転がっていく。

まだ酔いが覚めていないせいか視界がぐらついて追いつくのが精一杯だ。

やっと指輪が止まったと思ったらそばでブレーキ音が鋭く響いた。

その音に驚いた私は思わず退き、後ろにあった電信柱にぶつかって倒れてしまった。


「七瀬先生?」


光が眩しい。

目を閉じるとぐるぐると頭が回って段々と意識が朦朧としてくる。

気持ち悪い。


「七瀬先生。大丈夫?」


やっぱりお酒なんか飲むんじゃなかった。

そんな事を思いながら私はそのまま意識を失った。
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