レインブルー
「でもあたし、先生が思ってるほど子どもじゃないですよ」
「どうだろうな」
「ねえ、先生」
「うん」
「最近七瀬先生休んでるけどそれって先生と関係してるんですか?」
「…さあな」
「あたしでよかったら相談に乗りますよ」
はは、と藤木先生は大きく口を開けて笑った。
「冗談言うな。生徒に相談に乗ってもらうほど俺は落ちぶれちゃいないよ」
「ばかにしないでください。あたしだって生徒の前に女なんですから。恋の相談ぐらい乗れます」
「うん、気持ちは嬉しいよ。ありがとな」
先生の大きい手のひらがあたしの頭を優しく包んだ。
全身が熱くなるのを感じて、あたしはその手を振り払おうとする。
その時、クロの言葉が脳裏を過ぎった。
――せっかくのチャンスを棒に振るな。