真夏の深海魚
目を覚ますと、
布団がぐっしょりと濡れていた。

僕は一瞬、それは自分が魚になったからだと思ったが、もちろんそうではなく、汗をたくさんかいていたからだった。

僕は着ていた服を脱ぎ、
シャワーを浴びた。

急に、学生時代によく通っていた神保町の喫茶店に、久しぶりに行ってみたくなった。

僕はそこのアイスコーヒーが好きだった。

昔はそこら中でよく出されていた、最初から甘みが入っているアイスコーヒーだ。
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