あいつの犬〈短編〉
「 あ、あの良かったら協力してもらえない? 」
「 …うんいいよ! 」
一瞬頭の中に出てきた“嫌”と言う字はかき消して、笑顔で頷いた。
別に断る理由だってないし、こんな良い子なんだから協力したってバチは当たらないよね?
「 ありがとう未弥ちゃん! 」
何でだろう?
何でこんなにモヤモヤするんだろ。何で苛々してるんだろ…?
良い事してるのに、何か素直に笑えないあたしがいるのは何?