あいつの犬〈短編〉
未弥を抱え、保健室まで小走りで向かう。
…………こいつ軽くなった?
「 は…る? 」
「 え? 」
薄く目を開け此方を見る未弥にドキッとする。
距離が近いからか、それとも目を開けてた事に驚いたか…。
「 もう…大丈夫… 」
「 何が大丈夫なんだよ? 」
「 おろして…っ 」
若干抵抗を試みる未弥だが、俺には何のダメージも無い。力無さすぎ。
「 暴れんなよポチ 」
「 なっ…!? 」
俺がフッと笑うと、未弥は顔を真っ赤にした。
怒ってんのか?それとも暑いから?