また君に恋をする
気まずい空気。
目さえ合わせない。
アパート下の階段に腰をおろす章大。
「久しぶりやな。」
重たい口を開く章大。
「久しぶり。」
作り笑顔。
「…よ…う…用事あったんやろ?」
ぎこちない会話。
今の二人の距離が見た目以上に開いていく。
「…そうなんやけど…。」
重く塞がった口。
左薬指に光るリング。
「何?仁とでも寄り戻したん?」
冗談交じりにぶつける言葉。
「…うん…。仁ともう一度やり直そうと思って…。」
那智の口から叩きつけられる言葉。
右から左へ流れていく。
何も頭に入らない章大。
「仁が初めからやり直そうって言うてくれてん。せやからもう一度…もう一度だけ仁を信じてみようって思ってん。」
締めつけられる胸。
苦しい胸の痛み。
顔をふせたまま章大。