また君に恋をする
   






「そんなこと言いに来たん?」




冷たい言葉。
   


「そうじゃなくて…。」
   
「良かったやんか。今度は大丈夫やって。」


那智の言葉を遮る章大。
   



「そんなこと…今の僕には言えひん。言えひんよ。」



下を向いていた顔をあげる章大。
   

「…ごめん…。うち…ごめん…。」


こわばった表情。
戸惑う那智。
   



「…ご…めん…。僕…。」




階段を駆け上がって行く章大。
取り残される那智。
   







「ちゃうねん。うちは…ただ…章大とこのまま気まずいのがややねん…。」


ボソりと呟く那智。
その顔は涙に濡れている。





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