また君に恋をする
「こないだ言うてたこと。少しはわかるんやで。」
沈黙をなくすように話し出すサク。
「…。」
「言うてたやろ?彼方に何がわかりますか?って。」
隆平に目を向けるサク。
「あの時は感情的に…すいません…。」
気まずそうに答える隆平。
「ええねん。ほんまのことやもん。せやけど少しだけ彼方の気持ちわかるんやで。愛する人を失った気持ち。」
空に目を向けるサク。
「彼方の愛する人も空に?」
サクを見つめる隆平。
「龍規。龍規いうねん。踊るのが好きでデートはいつもストーリートで踊っているガード下。ありえへんやろ。…まだ忘れられひん…骨肉種やってん。」
うっすらと涙を浮かべると目を瞑るサク。