また君に恋をする
涙が頬をつたう。
コウから目が離せない隆平。
「骨肉種?」
「骨の癌。最初は信じられひんかったよ。3年つき合ってる彼氏が癌やって。それも手の施しようがなくて。死んでいく龍規をずっと見守ることしか出来ひん。こうやって手を繋いでいることしか。」
隆平の手を両手で包み込むように繋ぐサク。
「冷たくなっていく龍規の温もり…今もこの手に残ってねん。」
隆平から手を離し立ち上がるサク。
「どうしてん?」
「せやから少しだけわかるねん。ごめん。こんな暗い話してもうて。もう行くわ。つき合ってくれてありがとう。」
隆平に背を向け歩き出すサクの手を引っ張る隆平。
「待ちぃや。」
涙に濡れたサクの顔。
優しく抱きしめる隆平。