また君に恋をする
残されたモノ
携帯の鳴る音。
「…鳴ってるで。うち。もう行かな。」
隆平から身体を離すサク。
「またな。」
サクの頭をポンポンと二度タッチするとサクに背を向け歩き出す。
着信 章大
ポケットから携帯を取り出すと通話ボタンを押す。
「もしもし。」
「博貴。博貴そっちに行ってひんか?」
受話器越しに響く章大の慌てた声。
「博貴がどうしてん?」
「いなくなってん。朝起きたらおらひんねん。今。忠義と家の周り手分けして捜してるんやけど。もしかした帰ってるかもって思うて。」
早口でしゃべる章大。
「嘘やろ?いなくなったってどういうことや?」
携帯を握り締め家に向かい走り出す隆平。
「ごめん。僕等が寝過ごしてまったから。」
震えた声。
謝り続ける章大。