また君に恋をする
床に放置されている靴。
座り込んだままうつむいている隆平。
涙が滲む瞳。
拳を力なく握り締めると床をおもいっきり殴りつける。
赤く染まる手。
「…博貴…。」
震える声。
視線の先には博貴とツーショットで撮った写真。
ぎこちないピースサインで満面な笑顔を浮かべる博貴。
そして博貴を愛しそうに抱える隆平の姿。
その横には手のひらサイズの小さめなカレンダーに赤丸がつけられている。
「もしかして…。」
カレンダーに手をのばす隆平。
「まさか…一人で…。」
呟く声。
携帯を取り出す隆平。
着信 章大
通話ボタンを押す。