また君に恋をする
お花を取り替え線香に火をつけ手を合わせる隆平。
その横でしゃがみこみ隆平をチラッと見つめて真似をする博貴。
「博貴。」
名前を呼ぶ声に隆平を見つめる博貴。
首からネックレスをはずすと博貴の首へとかける。
「ええか。これはお兄ちゃんの大切な大切なモノや。それを博貴に譲る。これから嫌な事や苦しい事、辛い事がいっぱいあるかもしれひん。そんな時 このお守りが博貴のこと助けてくれるはずや。せやから大事にしぃや。」
「お兄たんは?」
心配そうな顔で隆平を見上げる。
「大丈夫や。」
博貴の頭をポンポンと二度軽く叩く。
「お兄ちゃんにはもうそれは必要ないわ。たくさん助けて貰ったから。次は博貴の番や。」
ネックレスを握り締める博貴。
博貴を見つめる隆平の温かな眼差し。