また君に恋をする
「なぁ。博貴は知ってるん?」
後姿に向かい叫ぶ。
「知らん。血が繋がってなくても俺の弟には代わりないやろ?」
振り向き答える隆平。
「それに知らんほうがええこともある。」
章大から目を背ける隆平。
「そうか。ヘンなこと聞いてもうてごめん。」
目を見ないで答える隆平に違和感を覚える。
だけどそれ以上踏み込めない章大。
「心配してくれてありがとう。俺は大丈夫や。こいつがおるから。」
寝ている博貴に目をむける。
「何かあったらいつでも言うてや。」
ありきたりな言葉しかかけれない
自分を情けなく感じる章大。
「ああ。そん時はお願いするわ。」
もう一度 博貴を抱きかかえ直すと
章大に背を向け歩き出す。
その後姿が何ともいえない寂しさをかもしだす。