また君に恋をする
心の奥底に




綺麗な夕焼け。
真っ赤に染まる空。
玄関の電球に明かりが灯る。
扉に手をかけ深呼吸する空。
   
「ただいま。」

ボッソと呟く。
薄暗い廊下。
忍び足で歩く空。
   

「空。帰ったんか。」


扉越しに聞こえる父親の声。
震える足を止める空。
   


「酒なら買うて来てひんで。」



冷たい口調。
   
「お前まで俺をバカにしてるんか。」

お酒に呑まれる空の父親。
空き瓶を掴むと
   

「バカにするなや。」


扉に向け投げる。
扉越しに聞こえるガラスの割れた音。
耳を塞ぐ空。
近づいてくる足音。
一歩一歩後ずさると家を飛び出す空。





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